教育目標

教育理念

子どもが大人になって困らないためには、どうしたらいいでしょう?そんな疑問から出発すると、幼児教育が見えてくるものです。友達より何かが上手にできた、覚えられた、という知識は、幼稚園時代から必要でしょうか?

幼児教育の難しい所は、成果がすぐに見えにくいことです。そのため、詰め込み教育をして怪我をさせることもなく、ともかく無事に小学校に送り出してしまえば、それで済んでしまうのです。詰め込み教育は大人の目から見ても、たしかによくやっているように見えます。あれも、これも、と幼稚園が保育の手を広げて追いつめていけば、子ども達は何でもやってみせます。素晴らしい発表もします。しかし、よく見るとそんな子ども達からは表情が消えています。それは「やらされている」からです。親は「こんなこともできるのね、すごいね」と驚くばかりで、子どもの内面に気がつかないものです。

詰め込み教育は子どもを度外視した幼稚園の自己満足であり、被害に遭っているのはまさに子ども自身なのです。
袖ヶ浦桜ヶ丘幼稚園では「教える」ことより、「育てる」ことを大切にします。一人の人間として力強く、社会に貢献して生きていくために、心の器と感受性を伸ばすことに力を注いでいます。

園長先生よりひとこと

「うちの幼稚園に通いだすと、お子さんが生意気になるかもしれませんよ」と言うと、皆さんはとても心配そうな顔をされます。実際に、幼稚園に通うようになってから、おうちに帰れば言いたいことを言うかもしれません。でも、そんな生意気も少しの間、大目に見てあげて頂けませんか。そんな「角」は小学校3年生くらいになると自然に取れます。義務教育の中で「これをしてはいけません、あれをしてはいけません」とおさえつけられ、取れていくのです。
せめて幼稚園時代は角を持ったままで、じっくり見守ってあげたいものです。手を出さない。口を出さない。でも目は離さない。ケガ・食事・睡眠に十分気をつけてあげてください。
それでは幼稚園でお会いしましょう。

園長:神崎 保


教育目標

よくお話しする内容を取り上げてみました。入園までの準備として、あらかじめ心がけていただければ、幼稚園の生活がスムーズになると思います。

子どもが王様、女王様になっていませんか?

園児のなかには、何を言ってもやらない子がいます。みんなが支度しているのに自分だけは立ち止まってしまう子。あるいは、人のあとをついていくだけが習慣になってしまっている子もいます。子どもをかわいがりすぎてしまい、まわりの人たちが全部手を出してしまうために、立ったまま着せ替え人形になっていたり、座っていれば何でも出てきたり、しゃべらなくても全部まわりがやってくれる環境ができていたり。そんな大人の言うままに育ってしまった子なのです。

幼稚園の2、3年間かけて、できればいい

でも心配はありません。教室には入れない子は、無理に入れません。慣れるまで主任や園長と一緒に遊んで過ごします。また、前日の晩から「幼稚園に行きたくない」とか、夜中にうなされるといった子どももおり、このような子は精神的に不安定なので、お母さんと一緒に幼稚園で過ごしていただきます。これを一週間、あるいは一ヶ月間。そうすると情緒が安定してくるのです。このような子どもの状態を見極め、ケース・バイ・ケースで判断しなければなりませんが、すべて幼稚園にご相談下さい。子どもによって成長の速度も違いますので、心配することはありません。小学校に上がるまで、みんなと同じようになればいいのですから、ゆっくり見守ってあげましょう。

けんかも幼稚園のうちなら

友達が3人、5人となるうちに子ども同士でルールが生まれます。「ケンカはいいけど、顔に手をあげてはいけないよ」という指導をしていますが、つい手が出たり、足が出たり、砂をかけてしまったりすることもあります。また、子ども同士は正直ですから、言葉のやりとりも直接的です。年長さんともなると、テレビの影響もあって汚い言葉を口にすることがあり、内心、はっとさせられます。言われた方はたしかに大変です。「明日、幼稚園に行きたくない」と言い出すこともあるでしょう。ですが、遊びの延長として、ケンカした子ども同士が何とか乗り切ることができるように見守ってあげたいものです。自分の主張を通すときは通す。我慢するときは我慢することによって、遊びがよりたのしくなるのです。

ダメなときにはダメ、も必要

自己主張が非常に強く、思い通りでなくては気がすまないといった子どももいます。家庭では子どもに親が振り回されてしまいます。これにも原因があります。
驚くことに、子どもは2歳ぐらいから、大人との距離を測り始めます。これは大人でもよくやることです。自分がこう言ったら相手はどう出るだろうか。どうしたら相手に喜んでもらえるだろうか。対人関係ではよくありますね。子どもの場合は、自分が泣いたらお父さんはどうするだろう? こう言ったらお母さんはどうするだろう? 先生はどう思うだろう? と試してみて、その結果で自分のポジションを決めています。試されたときに、毅然とした態度をとる親なら、たとえば、(いくら泣いても好きなものを買ってもらえないんだ…)と自覚できるでしょう。ところがすぐに負けてしまう親なら、(こういう場合ならこう困らせてやろう…)と振り回されてしまうことになるのです。かわいいからこそ、本人のためを思って、ダメなものはダメ、も必要なのです。

個人面談を行っています

園児の生活環境やどんな分野に知的興味や関心を持っているか、幼児が年齢相応の扱いを受けているか、知能が発達しやすい環境に置かれているかどうかをお話し致します。


保育内容

ここからは当園の主要な保育に関して解説していきます。ご説明してきたように、教え込まずに育てるのが基本理念ですので、五感教育はお勉強のようなものではなく、あくまで子どもの主体性に根ざしたところに主眼をおいています。
当園の大きな特色は、園長が過去にクラスを受け持っており、現在でも積極的に保育の中に入っていることです。体操・プール・音楽リズム・絵画制作など、園長が行っています。ですからどんなことに関しても園長にお聞きください。すべて責任をもってお答えいたします。

安全教育:すべてが運動理論から成り立っています

当園で「体育遊び」を「安全教育」と呼んでいる理由は、その名称通り、あくまで子どもの安全を守るための体育遊びとしてとらえているためです。これは筑波大学附属小学校で行われている体育教育の流れをくんでいます。すでに20数年来行っておりますが、すべての運動が理論立っています。
幼児がこれから成長するにあたって、まずやらなければならないのは、自分の身を守るすべを知ることです。そのために必要な基本要素としてあげられているのが…

(A)自分の体重を両手で支えること
(B)自分の背丈から飛び降りられること
(C)自分の体重を背負えること

です。これらを幼稚園の2、3年間かけて、マット・跳び箱・鉄棒・ボールなどを利用しながら、体得していくのです。現代の日本の子どもは欧米の子ども達と比べ、足腰が劣っています。大人になってスポーツジムに通っても筋肉がつくだけで、骨は子どもの頃でなければ作れないのです。肺が大きくなるのも中学生までですから、いかに小さいうちにたくさん意味のある運動をしておかなければならないか、ご理解いただけると思います。

安全教育:溺れない子どもにしたい

幼児の一番の死因は交通事故死ではなく、水死です。しかも自宅の浴槽で、というケースが圧倒的なのです。膝に届かないほどの水深なのに、水に慣れていないため、すべったとたんに気が動転して、そのまま水を飲んで沈んでしまうのです。こんな悲劇を起こさないための水泳なのです。
場所は長浦駅前の市立臨海スポーツセンター。幼児用浅底プールを使います。6月から7月の間に5回温水プールに入ります。最初は水にざぶんと入ってみます。1、2秒でも息を止められるようにするのです。それだけの時間でも、沈んだとき自分が手を動かせばいいのか、足を動かせばいいのか、判断できるようになるのです。
これは親の責任としてぜひやっておかなければなりません。

音楽リズム:音楽から学ぶバランス感覚

年少は打楽器だけですが、年中からハーモニカと鍵盤ハーモニカを個人持ちにして、2年間指導を行います。ハーモニカはすべての楽器の基本です。ミはどんな音だろう、ソはどんな音だろうというように、子ども自身が音楽の耳を育てないと吹けない楽器です。そのほかに童謡の合唱、器楽合奏も行いますが、音楽をやるもうひとつの目的は、みんなでひとつのものを作り上げていく喜び、その過程における心の成長です。1人だけ違う音を出してしまえばみんなに迷惑がかかります。ここは小さい音で出すべきか、大きい音で出すべきか、自分でみんなとのバランスを考えながら、協力して作り上げていくのです。

ラボ・パーティー(英語):子どものイメージを広げます

楽しいお話し(グリム、アンデルセンなどの世界のお話)、歌遊び、ゲームなどをして、英語に触れていきます。たとえば「3匹の子ブタ」では、絵本を原書で読み聞かせをします。原書は日本語訳で脚色された味わいとは異なり、原作者が伝えたかった表現を直接、伝えることができます。読み聞かせのあと、子ども達は表現活動をします。「3匹の子ブタをやりたい人、手をあげて!」「狼をやりたい人は?」「おうちの役をやりたい人は?」「橋になりたい人は?」というように、希望を聞いて、好きな役を演じてもらいます。3匹の子ブタを10人でやることもあれば、3匹を1人でやることもあります。全部小道具なしですから、おうちの役をやる子は、「狼がふぅっと息をふくと、家が飛んだようになる、その状態をやってみましょう」というように、イメージ通りに演じてもらうわけです。見ていただければわかりますが、子どもの発想には驚かされるばかりです。

演劇と言葉のシャワーを浴びてみる

日本では小・中学校教育において演劇的要素を含んだ教育が少ないように感じます。演劇は自己主張の世界です。台本はあるものの、台詞を頭に入れれば、あとは相手とのやりとり、体と体のぶつかり合いです。喜怒哀楽それぞれの歌は、率直な感情表現です。歩いたり、走ったり、飛び降りたりといった運動もあります。しかも性別、年齢の別なく誰もが参加できる演劇は、生きる力を育む貴重な体験です。発表会での演劇を重視しているのはそのためです。
また、読み聞かせのボランティアグループにもお願いしています。ふつうに読み聞かせをするだけでなく、素語りの読み聞かせもします。紙芝居では目から入ってくる情報が大きく作用するために、10人のうち5人が同じ発想をしますが、耳からだけなら10人が10人とも全く違う発想でイメージを広げていくことができます。

絵画制作:失敗をこわがらせない環境づくり

このページのタイトルにもありますが、幼稚園時代は教えるよりも、育てることに一生懸命になりたいものです。絵画制作では、「先生、次どう描くの? 何色ぬるの?」と子どもが聞いてくることがあります。これはまわりの大人が厳しすぎる、つまり、大人の指示や命令が多いことの裏返しです。
先に聞いて、大人の言われたことだけやれば注意されず、逆に誉められるからです。それが世間で言うところの「いい子」ですが、このような子を育てないようにしたいのです。そこで、制作でも「自分の思うとおりにやってごらん」とすすめています。失敗してもいいから、とりあえずやってみます。出来上がったものがちょっと違うと気づいたら、そこで修正すればいいのです。
人に言われるのではなく、気づきを自分自身で体験し、修正させたいと考えています。

茶道遊び:礼儀は相手を敬う気持ちを育てます

お茶やお菓子をいただきながら、挨拶、おじぎのしかた、立ち振る舞いなどの礼儀作法を学びます。また相手のことを思い敬う気持ちを育てています。

知能遊び:自分で一歩を踏み出せる子にしたい

知能遊びも絵画制作と考え方は同じです。幼児期は脳が形成されていく時期です。結果や出来ばえよりも、遊びの過程での脳の刺激を目的にしています。遊びのなかで、ひとつだけでなく、たくさんの正解があったり、ひとつだけの正解もありますが、「間違ってはいても、いい考え」というのを見逃さないのが特色です。1回で正解する必要はなく、2、3、4回かけて正解する過程が、まさに知能遊びなのです。

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